2011清州国際工芸ビエンナーレ:有用之物-を体験


Cheonju  International  Craft  Biennnale は初体験だった。公州の韓日美術交流会との交流事業(交流美術展と人的交流・文化体験)の合間に20名+韓国の通訳ボランティアなど数名とチャーターバスで小一時間の距離にある清州(チョンジュ)を訪ねた。この催しの企画広報部長のビュンさんと担当のYunさんが、日本美術会の事務所に訪問していただいたという経過があって、今回のこのビエンナーレ体験となった。(2011年10月9日)予測を超えて大きなイベントだという印象を持った。旧清州煙草工場跡地の建造物の中をうまく利用しての展示だった。歴史的建造物とアート(工芸という方向性)を組み合わせて、美術館のようなホワイトキューブの抽象的な空間とは違う、具体的な生産現場の跡の巨大空間はレアリティーを持っている、だからこそ、その存在感と展示との共鳴関係が大変興味深く見受けられた。展示の中身は本展示・公募・招待国(フィンランド)・特別展など・・・沢山のテーマに分かられて、短時間では充分に理解できないほどの展示内容だったと思う。もちろん組織委員会の熱意が伝わってきたが。9月21日から10月30日まで開催した本展は観客数42万人を迎えて、国際的にも各地各専門家を迎えて評価を得たと、送っていただいた報道資料にくわしく書かれていた。またソウルの国立現代美術館の分館をこの会場の工場跡内に作る予定らしい。市民ボランティアなど幅広く組織され、本イベントを支えたという。こうした環境の整備はこの巨大工場跡の展示空間を生かして、設備などの拡充をしながら、工芸ビエンナーレ以外にも可能性は大きい。そして国際化と学生などの参加を進め、国や自治体の文化予算の導入を得ながら、活発な活動がされていくのだろう。何ともうらやましい未来が本工芸ビエンナーレから導きだされているわけだ。
自分の足で見て回って、確かめてもらいたいイベントである。その多様性に満ちた美術イベントの全体像から得るところは大きく、多いと思った。(記・K)