韓日美術交流2011


滝口未矢子

2011年10月7日~12日まで、日本美術会・韓日美術交流百済文化祭ツアーに参加いたしました。私個人としては、この美術交流に 参加するのは3回目となりました。  今年は、3月に東日本大震災が起こり、さらに原発事故が起きました。震災で多くの方が犠牲となり、原発事故はいまだ収束しておらず、たくさんの方々が困難な状況を強いられています。こういった事態の中、改めて自分の生き方や、今の社会の在り方を考えさせられ、また考えないといけないと思います。  そして10月、韓国に旅立ちました。公州では、韓日美術交流展の作家の方達が暖かく迎えてくださいました。「お久しぶりです」と挨拶をすると、覚えててくださり懐かしい方々と笑顔での再会となりました。  今回の旅では、韓日美術交流展、百済文化祭、それぞれの美術展のセレモニーへの参加、清州ビエンナーレ見学、国立中央博物館(ここはソウル1泊組で行きました)市場見学、民俗村スケッチ等とても内容の濃い旅でした。そして改めて多くの方達との交流があることを、知りました。  そうした中で、韓国は美術や文化をとても大事にしていると感じました。清州ビエンナーレや博物館等、スケールも日本とは違いました。とても羨ましい環境だと思います。また、韓国の文化に直接触れて、その素晴らしさに感動しました。  美術交流をして思うことは、美術や文化の持つ力です。言葉や習慣や国を超えて語りかけ、それを通じて人と繋がっていくことが可能なんだと今回感じました。韓日美術交流の回を重ねていく中で、繋がりが生まれてその中で友人となっていく。こうして交流を深めていくことが、大事なんだなと思いました。  3月の大震災直後、心配された公州の作家の方が、日本の作家の方に電話をくださったと聞きました。今回の旅でも、皆さんが心配しているのがよくわかりました。本当にありがたいことだと思いました。今まで交流を重ねて築かれた絆を感じる瞬間でした。韓国で元気をいただきました。  それと同時に、旅に参加されている日本の作家の方達と交流が深めることができ、良かったです。 また、公州で心を尽くして通訳をしてくださった皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。そして、この旅を企画されとてもお世話になりました国際部の皆様、ありがとうございました。 この旅の翌月、再び韓国に行きました。交流展で親しくなり、アトリエ訪問もさせていただいた女性彫刻家の方の結婚式に、韓日展出品メンバーからのお祝いを持って出席してきました。お隣の国に、作家の友人が居るということは、嬉しく、心が暖かくなります。

2011韓日美術交流展・百済文化祭ツアー(日程表)


10月7日:仁川国際空港からチャーターバスで 公州へ夕方到着、山の中の鴨肉レストランで歓迎の宴 今まで交流した韓国作家が集合

 

8日:扶余近郊の「百済文化団地」を体験 国立扶余博物館・林立美術館主催「公州国際美術祭」 国立公州大学内のギャラリーにて「9回韓日美術交流展」 オープニング。食事後、錦江・公山城のイベント体験

 

9日:清州国際工芸ビエンナーレに行く 夜、公州の市民ホールで百済王家歴史ミュージカル鑑賞

 

10日:公州近郊の外岩村を散策・写生をする 「YATOO30周年記念セレモニー」 李忠雨会長の郊外の新居でお別れの宴 エーデルワイスの合唱で迎えられた

 

11日:朝仁川国際空港へ向かう、8名フライトで帰国 ソウル一泊組11人(12日帰国)