最新号紹介

美術運動144  定価:700円

美術運動 No.151
2024年3月発行
定価:700円

 

特集│戦争と近代日本美術史への問い

■日本美術会と美術家の戦争責任問題(1)

■女性画家と戦争 相次ぐ新資料発見と研究状況

■北脇昇と草創期の日本美術会 

 

 

最新の記事

ネパール・ アートビレッジ・プロジェクト

金田卓也 / 村田訓吉

「アートで世界を救えるか」

 パリのシャルリー・エブド社襲撃事件、シリア空爆の続く中、本誌に金田が『アートで世界を救えるか キッズゲルニカの20年』を寄稿したのは2016 年である。そうした問いを抱きながらキッズゲルニカ (www.kids-guernica.org) の活動を継続してきたが、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスの人質事件、イスラエルのガザ地区攻撃と最近の世界情勢は混迷を深めている。

 米国でのキッズゲルニカに関わったことのあるパレスチナ出身のフロリダの小学校の美術教師が故郷のガザに帰郷したとき、イスラエル軍の空爆が始まり、出国できなくなってしまった。連絡の滞る中、彼女の安否が気遣われたが、エジプトとの国境が開いたとき間一髪出国することができた。同じくパレスチナ出身の夫と子どもたちと共に生活の拠点である米国に無事帰国することはできたが、ガザの親戚の何人かは空爆の犠牲となり、彼女の状況はきわめて複雑である。

 

 スペイン市民戦争の中、1937 年のドイツ軍のバスク地方のゲルニカ空爆に対して描かれたのがピカソの『ゲルニカ』の作品であるが、「アートで世界を救えるか」という問いは重くのしかかる。

続きを読む 0 コメント

首藤さんと私

宮田徹也(みやた・てつや)

 2023 年4 月12 日、首藤教之が逝った。90 歳だった。
 首藤さんとは2006 年、ノー・ウォー美術家の集い横浜のパーティで初めてお目にかかったと記憶している。修士課程を修了し当ても無く彷徨っていた私は、2004 年に池田龍雄と出逢い戦後美術や暗黒舞踏のアーティストの紹介を受け、小さな雑誌や展覧会のパンフレットに批評を書きはじめていた。2006 年とは、横浜市芸術文化振興財団(当時)が運営するZAIM のアルバイトと、横浜の専門学校の非常勤講師、週刊新聞「新かながわ」での展覧会評等が始まったのであった。
 同時に、首藤さんの紹介によって日本美術会と繋がり、『美術運動』のバックナンバーのスキャンが完成し、ジャスティン・ジャスティさんと研究会を発足、2011 年に東京都現代美術館で研究の成果を発表、2021 年には国会図書館が所蔵していない創刊(1947年)から85号(1968 年)までの復刊を鳥羽耕史(早稲田大学教授)さんの紹介により、三人社が果たした。一連の活動は全て首藤さんのお陰である。この場を借りて感謝申し上げます。

続きを読む 0 コメント

2023 日本美術会シンポジウム

10月15日(日)平和と労働センター2F大会議室

続きを読む 0 コメント