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「第21回日韓美術交流展2023京都」で考えたこと 

2023年11月15日から19日まで 京都市国際交流会館2F(姉妹都市コーナー展示室) 主催:JAES 共催:公州韓日美術交流展・(公財)京都国際交流協会 後援:日本美術会・京都アートカウンシル

2023年11月15日から19日まで
京都市国際交流会館2F(姉妹都市コーナー展示室)
主催:JAES 
共催:公州韓日美術交流展・(公財)京都国際交流協会
後援:日本美術会・京都アートカウンシル

 20年を超えた本美術交流は、語ればきりがない、それほどに、年月を重ねている。今回は70 点以上の出品点数で、このコロナ・パンデミック中、出品のみの人的交流なしの展示が3 回続いた後の今回交流展で、7人の韓国からの人的交流で、4人の男性と3 人の女性を迎えられた。京都の柱的存在だった貴志カスケさんが亡くなられ困ったが、友人のノブコ・ウエダさんと、宗由美子さんを中心に、京都の女性作家が動いてくださった。また関東方面からは10名ほどのJAES のメンバーや出品者が駆けつけてくれ、何とか盛り上がった交流展にはなったと思う。そういう私は、風邪で腹を壊して、会期中京都滞在したのだったが、飲み物以外は少々しか食べられず。えらい大変な思いもしたが、皆さんの文化交流への熱い思いを節々に見出して、幸せな気分だったことを率直に感じていた。


  21年前、初回の交流展を光州と公州で連続的に実施した時、公州では金明泰先生が組織してくれた。その何年か前から公州の自然美術のシンポジウム・野外美術展に参加していた私が、その主催団体のYATOO(野投)の後援を得て、李宣周さんの仲立ちで、日本アンデパンダン展の参加者らを対象とした夏季写生会(バス二台・80 数名)を組織して、成功させたことを背景に、金明泰先生が日韓の美術交流の段取りを組織してくださったわけだった。
 当時まだ小さかったYATOO の代表的な組織者のコー・スンヒュンさんの息子さんが、今回の京都展に出品されている。指の指紋を大きく拡大して画面に定着した平面です。なんか時の経過を感じました。彼は北京の美術大学で学んでいます。

 語り伝えるべき経験は、21 周年ともなれば沢山あるけれど、「百済文化祭典」の中での交流展というパターンが多く、この祭りを楽しむことも大きな得点になって、毎回10名以上、多いときは20名近く日本から人的な訪問も組織したことがあった。「近くて遠い国」というジンクスを変えようという意識もあった。「冬ソナ」現象があり、一気にご婦人方の嫌韓意識が好転した時代が出現し、その後また反動期というか、対立の時期が来て、今また揺れ戻しの時期が到来したのだろうか?コロナ・パンデミックの修復と同時にそれが来たような気がしている。とにかく、この文化交流の美術展は日本だけでも延べ100名近くの美術関係者がかかわって、韓国への理解を深めたと確信している。
 作品は多様性があって、評価するべき作品を簡単には上げられないが、長くかかわって、創作面でも幅広い文化理解においても、自主的で民衆的基盤からの美術運動体として評価されるべきではないか、上から組織された交流事業は、長くは続かない、そういうところを見るべきなのだ。 (木村勝明・記)