「絵画における映像の発見」 ~ベン・シャーン展を観て~

ベン・シャーン展
ベン・シャーン展

最近、展覧会やギャラリーめぐりをしていると、絵画、イラストレーション、絵本展等々の中で写真展にめぐり会う機会が多いと感じます、さらにビデオ上映を含めた映像ブースなども増えています。今回一連のメデアをクロシングしたアーチストとして一月に見た「ベン・シャーン展」について感じたことを少々述べてみたいと思います。「ベン・シャーンがあんなに大量の写真を撮っていたとは!」これは展示を見た知人の驚きの声です。まさしく今回一室が全て写真コーナーというすごさ「神奈川県立近代美術館・葉山」は絵画・版画・写真・イラストレーション等を、またはポスター芸術を対等に並べていました。

「写真からいかにベン・シャーンが絵画構成したかがよく分かるよ」そう知人はつけ加えます。
 そうベン・シャーンは写真や新聞、雑誌の切り抜き資料から報道絵画(ジャーナル・アート)を構成しています。社会に起こった出来事をリアルタイムで、さらには深化させた絵画表現で、あるいはポスターとして街中に貼り出され、社会に大きく影響していくという参加型のアーチスト。絵と文字が一体となり、メセージ性をもった武器としての絵画といえるでしょう。
 映画やTVの大衆性、マスコミニケーションとしての映像表現としてみごとにクロスメディア・アートとなりえます。
 今回一連の写真の中に、映画館の看板やポスターも見られます、チャリー—チャプリンの映画、ベン・シャーンもきっと見ていたに違いないハリウッド映画。一九三六年にニューヨークで撮られた「モダン・タイムス」の看板の横で白い帽子をかぶった人がうなだれています、看板の文字に興味を持ったのかチャリー—の頭は写真に入っていません。
 ところで展示について絵画の傍らに絵の源泉となった関連写真があること、そこに目がいきます。写真との比較研究としては的確な手法ですがどちらかに集中してみるというには少し問題が発生します。でも、比較して一回見終えてから絵画なら絵画に集中して見ていくことで感情移入は豊かなものになります。
 今回、最終日は(葉山では一月二十九日)とあってやや混み合ってきまして初め遠目に見てから二回目には閉館近い時間にじっくりと近寄って見まし
た。するとどうでしょう、ベン・シャーンはものすごく繊細なタッチなのです、クロス・ハチングなど定規を使ったぐらいに細かく、テンペラ画の手法をみごとに駆使しています。同手法のアンドリュー ワイエスの写実表現とは、顔料の使用方法が違うのでしょうかー。それでいて簡潔、大胆に絵画
構成をしています。展示室後半のレコードジャケットやリルケの詩の挿絵(イラスト)など、これはもう一本の線の芸術です。これは、映画監督のS,M,エイゼン・シュテインのイラストや詩人のジャン・コクトーのそれを連想させます。勿論パウル・クレーの天使などの絵とも共通しますが・・・・ 
 六本木の東京ミッドタウンでは「ベン・シャーンと日本・アメリカ」というシンポも先におこなわれました。(昨年の十二月四日)-ベン・シャーンは、今、アメリカ写真として注目されている-
 そこで注目したのはベン・シャーンがアジア旅行で見た火葬風景を連続写真として撮っていたという点です、モノクロームの写真ですので火のレッド(赤さ)、ベン・シャーンの絵画特徴のリトアニア・レッドは見られませんがそれを感じさせます。
 ドレフェス事件でサッコとヴァンゼッティ事件、第五福竜丸被爆事件(ラッキードラゴン)等、社会正義に訴えた作品をはなち人気(ヒーロー)のベン・シャーンは映画で例えればジョン、フォード監督の「怒りの葡萄」(スタインベック原作)となるでしょう。日本でもブックカバーとして一時期シャーンの絵が同書「怒りの葡萄」を飾っていました。
 シャーンが映画・TVの映像表現をこう見ていたのか今回展示では直接分かりませんでしたが、木で出来たテレビ アンテナの造形物などを見ながら又文字(カリグラフィー)を見ながら、イメージのもつ意味や物語性または現実と虚構性のことについてなどもいろいろ考えさせられました。映像コーナーでは昔放送された「日曜美術館」から流され山藤章二・粟津潔さんらが語っていました。
 我々はベン・シャーンに学びながら「高尚なものであった西欧の芸術というものの壁がとれた・・・。そして看板・ポスター等のある街そのものが今度は本当の美術館になったのだ」と。
補足:ベン・シャーンは、メキシコ壁画運動に関わって今回フレスコ画一部 と下絵の絵画も展示されていました。


※ポロック展と同時開催中企画、原弘展に前回の記念すべき近美のベンシャー ン展示のポスターがあったのです。シャーンと同様メキシコ壁画に関わったポロック展もおすすめしますが、ポスター、本デザイン等の本展示もおすすめです。
                  
[ベン・シャーン展スケジュール]
神奈川県立美術館葉山では2012/1/29で終了
2012 2/11〜3/25    名古屋市美術館
〃   4/8〜5/20    岡山県立美術館
〃   6/3〜7/16    福島県立美術館

 

松林 良政

 

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コメント: 29
  • #1

    松林良政 (月曜日, 29 9月 2014 09:24)

    ベンシャーンの用いたカメラが相手に気付かれないで撮れるタイプのカメラであったこと。その点も写真の構図に影響を与えていたのではないかと推察される。

  • #2

    松林良政 (月曜日, 08 12月 2014 13:12)

    大月書店からベン・シャーンについての興味深いルポルタージュが出版されています。今、読んでいます!!
    以前、小野忠重展の感想を書きましたが、今思うに、一貫したリアリズム、一貫した表現主義ともいえそうです。ベン・シャーンもまた内面的リアリズムでしたがー。

  • #3

    松林良政 (金曜日, 24 4月 2015 12:53)

    美術運動の最新号(No. 142)を読んでいると興味深い論考がある。例えば小野章男氏の(6月の美術館のリアリズム)の中では絵画や音楽をめぐる生産的労働論なども出てくる。作家の平野啓一郎によるテーマ設定による企画展ではロダン彫刻を言葉で紹介。彫刻の図版がないが荒削りの詩人の文章から想像すると実物以上に内面に響くかもしれない。ベン・シャーンの工芸的なザラザラした線描の秘密も、対象を一度、言葉で翻訳した上で描いたのではないか…、そんな抽象過程を経て捻出されたのではないかと思った次第。

  • #4

    松林良政 (月曜日, 18 5月 2015 12:27)

    3月末にアンデパンダン展アートフォーラムで柳瀬正夢と村山知義に関する記念公演がありました。二人はベン・シャーンともほぼ同時代に生きジャンルを乗り越えたマルチ・アーチストという現代性をもって時代と対峙したという共通性があって興味深い。二人は写真、版画、広告媒体、挿画、童画・絵本などの複製大衆芸術にも、村山はダンス・パフォーマンス、舞台美術、映画、文藝etc,にも関与し

  • #5

    PineWood (金曜日, 22 5月 2015 09:00)

    アンデパンダン展の先のアートフォーラムで木村氏から黒澤明監督とプロレタリア絵画について発言があった。世田谷美術館で開催された東宝スタジオ展では、映画を多角的に捉えた企画。そこに黒澤監督の(影武者)(乱)のカラー絵コンテや自ら描いたポスター、猪熊氏による黒澤の名作(生きる)のポスター原画 。更に東宝を代表する怪獣映画(ゴジラ)の克明な絵コンテなど興味深かい展覧会であった。御茶ノ水の平和と労働会館一階事務所前にある内田巌・作(歌声よ起これ~文化をつくる人々~)も東宝争議を描いた絵画として展示されていた。赤い服の女の子がこちらを見ている大作は国立近代美術館所蔵とあった。

  • #6

    松林良政 (土曜日, 30 5月 2015 19:16)

    今、茨城県立美術館でベン・シャーン展が開催中!!
    横浜美術館でドローイング・アニメ作家の石田尚志展を見てきました。明日?最終日ですが線描が何処かでベン・シャーンのタッチを感じさせます。映像、絵画、音楽の越境メデア・アートに興味のある人にはお薦めの展示です。

  • #7

    松林良政 (日曜日, 31 5月 2015 08:10)

    水戸の茨城県近代美術館(丸沼芸術の森所蔵 ベンシャーン展)は7/5まで。先のコメントの横浜美術館の石田尚志展は本日まで。渦まく光の映像の数々はアニメと実写のコラボ映像や映像そのものnイメージの自立性を垣間見られる最先端の現代美術の一つ。実験映画(スペイシー)みたいに自由自在にfilmを操る…。映写機やカメラ、光と影、白と黒の粗描の反転、シンメトリー、波、海、レオナルドの洪水の粗描など色々考え感じさせる展示。若いが会場に多かった!

  • #8

    松林良政 (木曜日, 18 6月 2015 10:41)

    汐留Panasonic美術館でルオーとフォーブの陶磁器展を観ました。1884年ののサロン・デ・ザンデパンダン、1905年のサロン・ド・ドートンヌ、その2年後のマチスほか野獣派らの画家の陶磁器への作絵の実践、その後のルオーによる作陶から絵画への応用例など興味深い展示です。装飾、デザイン、生活の中の美の精神はベンシャーンの仕事とも見事に重なりました。開催中。

  • #9

    松林良政 (月曜日, 22 6月 2015 07:26)

    美術運動のバックナンバー141[2014.3]を見ていたらアメリカに渡った石垣栄太郎とベンシャーンとのエピソードが述べられていて興味を惹く。以前、ベンシャーン展評でリルケの詩とシャーンの作画の内的連関を森田氏が通信していたが、文芸と絵画を巡る観点が良かった。その時、森田個展では油絵の転写手法でベンシャーンへのオマージュ作品もあったように記憶する。

  • #10

    松林良政 (金曜日, 03 7月 2015 05:45)

    今、カナダ大使館でユーサフ-カーシュ写真展が開催されている。同libraryでアルバムを捲っていたら1966年にカーシュがベンシャーンを撮ったカラーの肖像写真がありました。ヒューマンなものに関心を向けたシャーンを見事に捉えている。他に黒澤明監督など日本人portraitもあって興味深い!

  • #11

    松林良政 (日曜日, 13 9月 2015 01:14)

    世田谷美術館で金山康喜展を最終日に見ました。ベン・シャーンの絵画のテーマや絵肌、タッチといいますか色彩の透明感も良かったです!!
    金山氏の友人の野見山氏がベン・シャーンの画集に解説を書いている位だから、きっとベン・シャーンタッチも知っていた上での創作だったのではないかと思います。静物画のデフォルマシオンでは、より表現主義風のそれでしたがー。写真レンズのような効果も取り入れてリズム感が

  • #12

    松林良政 (金曜日, 06 11月 2015 06:52)

    追伸:ミュージカル舞台美術としてウエストサイド・ストーリーにベン・シャーンは関与していたから、この作品も挙げなくてはいけなかった。もっとも映画のほうは、ソール・バスというヒッチコック映画などのタイトルやイラストレーション、アニメーションでも有名になったデザイナーの仕事ですが。
    更に映画(死刑台のメロデイ)も冤罪事件を扱ったベン・シャーンの代表作と共に記憶されるべき映画の一本であろう。

  • #13

    松林良政 (日曜日, 31 1月 2016 15:46)

    版画という複製芸術と映画という手法で実験映画でも成果を挙げたらポップアートの巨人アンデイ・ウオーホルもまた、若い頃ベンシャーンに憧れていた。ベンシャーン・タッチのイラストレーションが画集に残っていました。
    また、几帳面な日記で知られる作家・森鴎外(森林太郎)のペン画にも線描でベンシャーンに共通性があって興味深い!紙とペンとインクの関係で偶然そうなったのかは不明だがー。写生俳句の子規の絵日記も併せて興味を惹く…。

  • #14

    松林良政 (日曜日, 14 2月 2016 03:53)

    京橋のフイルムセンターのキューバ映画ポスター展に死刑台のメロデイのポスターが有りました。手摺のシルクスクリーンでの限定ポスターが並ぶ本展示は、ポスター芸術の醍醐味が。ベン・シャーン風な作品もあったが、写真を使用したものよりイラストレーションが多い。死刑台のメロデイ版も星条旗デザインの不当判決シーンを諷刺したユーモアと怒りの表現が注目される。商業ベースで大量に印刷されるポスターとは対極の美学がそこに見られた。又、週末にはキューバ映画の上映も催されています。

  • #15

    松林良政 (土曜日, 05 3月 2016 20:34)

    最新号第143を北野論考読んでいたら小栗監督の映画(HUJITA )の事が頭を過りました。この映画には出て来ないが、戦後アメリカで個展をしようとした藤田嗣治に抗議したのがベン・シャーンたちであったという事を…。当時、戦争責任の問題が国際的にも広がりを見せていたエピソードの一コマだと言えます。小栗版映画HUJITA は戦争責任画を水没させる事で悪夢のように静かに幕を下ろす。映画前半のパリの喧騒はいつの間にか軍部の足音と化し、敗戦色が強まる中で戦没者の魂が狐火のように山間に灯る…。廃墟の街と美しい風景画の幻想が沈黙したままで。
    他方、SHISEIDOギャラリーで上映された小沢剛のショートビデオ(ペインターF )はある画家の悲歌をインドシナ民衆のバラードとして謳い上げた。偉大なるペインター藤田の(ジキル氏とハイド氏)のような二面性を讃えながらも激しく告発しているように。

  • #16

    PineWood (金曜日, 18 3月 2016)

    ベンシャーンと同時代の画家スチュアート・デイビスはjazzを絵画表現に取り込み、街の看板をカリグラフで絵の中に再現…。文字に虜になったシャーンに通じる面がある。アウシュビッツの収容所の作品などをモチーフのアンゼルム・キーファーにも詩人の言葉を絵画表現に入れた大作がある。文字或は言葉の力は絵画に取っても刺激的で相剋するものではないー。書と画の一体感があった!

  • #17

    松林良政 (月曜日, 28 3月 2016 03:53)

    民主文学の2016年三月号に鶴岡征雄氏が(藤田嗣治の戦争画と現代)を書いている。二頁の単文。それは、小栗監督の映画Foujita にも触れ絵画技巧を評じながらも、戦意高揚の為の絵画以外の何物でも無い事を、歴史的な考察から明瞭にしている。
    戦争画を美術館のホワイト・キューブの中で歴史から切り離して観る時、現代の観衆がその絵に嫌戦などを読み込んでも批難は出来ない。だから史実として戦争画に向き合う場合は、公開するに当りアジア侵略の史実を踏まえた上で真摯な態度で絵と対峙する事が求められるのだろう。

  • #18

    松林良政 (土曜日, 02 4月 2016 15:49)

    日本アンデパンダンと若干会期が重なっていた新国立美術館での大原美術館展を見た。アンリ・マチスが自分の娘を描いた肖像画の作品()マチス嬢の肖像1918年)が興味深かった。目の表情、眼力がベンシャーンの絵画と重なって見えた…。ベンシャーンはフランスを離れてアメリカに渡ったが、線描の仕事ではマチスの影響が色濃かったという事を思い出させてくれた。
    更に、前田寛治の(二人の労働者)がプロレタリア絵画として1920年代の時代の雰囲気をよく伝えていた。

  • #19

    松林良政 (火曜日, 05 4月 2016 07:06)

    先日、横浜美術館のライブラリーでベンシャーン画集の大型本を読んだ。ラストの方にモザイク画やステンドグラスなども掲載された豪華本。シュールレアリスムに惹かれる一方で、流行に流されずに形に拘った痕跡を重ねる手法や文学にインスパイアされる絵画の根源の魅力に迫る。抽象表現主義や当時最新のポップアートのスタイルとの共通性やカリグラフィー、書画スタイル、キッチュなものへの関心などベンシャーン芸術を見事に纏めていた。

  • #20

    松林良政 (火曜日, 19 4月 2016 11:11)

    渋谷のユーロスペースで上映中の映画つむぐものを見ました。越前和紙の紙漉き職人を主役に据えて韓国から来日した娘が高齢化した、その職人と心を通い逢わせる佳作。言葉の違いを乗り越えてー。ベン・シャーンも来日した時は京都などでも和紙を購入、伝統工芸品のキッチュなものにも注意を払ったというー。その事が映画を観ていて甦ってきました。石倉三郎とキム・コッピの息のあった自然な素振りがセミ・ドキュメンタリーのような印象を与える…。

  • #21

    松林良政 (火曜日, 05 7月 2016 05:03)

    世田谷美術館で始まったメキシコ写真の巨匠、マヌエル・アルバレス・ブラボ写真展は、ブラボがエイゼンシュテイン監督の(メキシコ万歳!!)のロケ見学をしたエピソードやルイス・ブニュエル監督の映画(昇天峠)のスチール写真を撮ったり、壁画の写真を撮ったり…とベン・シャーンとの同時代性も感じられて興味深い。本展示はモノクローム傑作が年代順に並べられ詩情豊かな写真に魅せられた…。

  • #22

    松林良政 (水曜日, 06 7月 2016 19:35)

    今開催中の国吉康雄展ー横浜そごう美術館は正にベン・シャーンと同時代に一緒に絵画で生きた朋友として注目の展示だった!セザンヌのタッチから始まり重層的な絵作りに至るエスプリと内省面が共通していて。写真も展示されていて多面性でも似ていた…。

  • #23

    松林良政 (火曜日, 08 11月 2016 00:21)

    今日、渋谷のBunnkamuraラミュージアムでベルギーの現代アーチストのピーエル・アレシンスキー展を観ました。書画に対する興味がベン・シャーンと共通しています。それに漫画や映画モンタージュの関心と併せてポップな要素もあって新鮮でした。ジャクソン・ポロックの表現やアブストラクテイブな音楽性等目を惹きます。アレシンスキーが監督した記録映画(日本の書)も会場で見る事が出来ます。

  • #24

    松林良政 (火曜日, 13 12月 2016 21:09)

    今日、渋谷のギャラリーで横尾忠則ポスター展示見たが、カタログブックで1958年の映画広告ポスターが確かにベンシャーンのタッチで人物をペン画していた…。スタイルはその後ピカソ見たいに目まぐるしく変容して行くが興味深い!!イラストレーター、デザイナーにとってベンシャーンは矢張通過点なのだと感じた。アンデイ・ウオホールの控えめなたどたどしいペン画よりも流暢な線描…。

  • #25

    松林良政 (木曜日, 19 1月 2017 18:16)

    今、埼玉県立近代美術館で日本におけるキュビズム~ピカソ・インパクト 展が開かれている。1913年に与謝野鉄幹がフランスより持ち帰ったアンドレ・ロートらの風景画が日本初のキュビズム絵画の紹介で白樺派主催の展覧会だと言う。今回の展示ではアンデパンダン展の講演でも取り上げられた柳瀬正夢や村山知義の絵も並ぶ。小林多喜二の死顔を描いたという岡本唐貴の絵画も。ヘンリー・ムーア、ベン・シャーン,イサム・ノグチ等と関わったと言う井上三綱のアルタミラの洞窟壁画風の油彩混合技法の絵も牛のダイナミックな線描が効いている!

  • #26

    松林良政 (土曜日, 21 1月 2017 20:41)

    京橋フイルムセンターで戦後ドイツの映画ポスター展を見た。例えばハンス・ヒルマンのアメリカ映画ポスター、ルネ・クレール監督(奥さまは魔女)は(主演のヴェロニカ・レイクを描くざらついた簡素な線は、アメリカのベンシャーン等の同時代性をかんじさせるー、…)とも評されてもいる。その後よりグラフィカルに写真コラージュのも展開するが通過点にベンシャーンがいた辺りは横尾忠則等とも共通している。

  • #27

    松林良政 (水曜日, 26 7月 2017 14:13)

    先日、多美大公開講座で江戸期の絵師・伊藤若冲論を聞いた。木版画表現を水墨画へ変換したり、逆にしたりとその多様な面もマルチなシャーンと共通して興味深い!

  • #28

    松林良政 (日曜日, 10 9月 2017 17:26)

    前にW氏の個展に行ってどんな手法か訊いたら君は絵の主題よりもそんな事に関心が在るのか?と一蹴された事がある。今朝NHKETVの日曜美術館の〈アンドリュー・ワイエス展〉を視て確かにテンペラ手法は差異が
    有るものの、リトアニアからの移民のベン・シャーンと移民に共鳴していたアンドリュー・ワイエスの主題には共通性が有ると確信した。

  • #29

    松林良政 (火曜日, 17 10月 2017 17:13)

    日美理論部の論集に上野一郎氏の芸術論が在り眼を惹いた。マルクス「資本論」の冒頭・商品論を熱心に読む画家・理論家・文学者等の姿が重なった。画家ベン・シャーンにも創作の或いは想像のロジックと教授する姿が在った。キッチュなものを求めて民衆の文字・レタリングを愛したのも其の1つなのだった…。