新潟水と土の芸術祭 市民プロジクトがおもしろい

星野金司

新潟の氺と土の芸術祭は2009年の第1回展より始まり、今回が第2回展、会期は7月14日より12月24日まで開催。今回は3つの柱、感性、記憶、言葉をキーワードにアートプロジェクト、市民プロジェクト、シンポジュウムなど多彩な催しが計画されています、アートプロジェクトは信濃川下流域を中心に、招聘と公募で選ばれた20代から70代約60組の作家による作品展示が行われます、市民プロジェクトは新潟市内全域で開催。
今回は新潟駅よりJR信越本線で二つ目の駅、亀田駅の周辺地域で8月4日より26日にかけて開催された「亀田ロックフェスティバル」と名付けて開催された市民プロジェクトを紹介します。この催しは、アートを通して亀田を盛り上げていこうというイベント、亀田駅の近くにある「ゲット、ムー ギヤラリー」を中心にして「似顔絵ワークショップ」「ライブペインテング×ダンス」「亀田お菓子市」「夜のまち歩き」「亀の工作教室」等々また「氺風船絵画」にいたっては、みんなで氺風船を投げてにじみ絵をつくるユニークなものです、また8月11日より19日まで開催された「錦展」では、新潟ゆかりの作家24名が亀田で錦を飾りますと案内ハガキには書かれています。
会場のギャラリーを訪れてみました、比較的若い作家が多く、現代はやりのスーパーフラットを意識した作品や漫画の影響が感じられる作品、またなにか学校の文化祭を思い出させる作品など、私も鉄腕アトムを見て育った世代ですので親しみは感じましたが、軽さだけではなくもう少し重みを感じさせるなにかが加味されるともっと良くなるのでは。ちなみにヨーロッパで開催される国際見本市では、現在から100年前までの作品が展示されます、アートの形、素材は変化しても今後もコンセプトの本質は変わらないのでは。
今回の作品の中で新潟アンデパンダン展にも出品されているギャラリーのオーナー藤井さんの作品「高齢化社会」が面白い、入れ歯の形に加工しその入れ歯が輝いて見えるように工夫され、また贈り物のように透明なボックスに入れられおり、まさに現代社会を風刺した作品でありユーモアが感じられました。華々しいアートプロジェクトに比べて市民プロジェクトは地味な存在ではありますが、地域に密着していろんな催しを行い少しでもアートに関心を持ってもらうとする試みが広がる事に期待したいと思います。