7月-「素直に感じた事を言葉にしよう『六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?』を観て」

小河原淳

去る7月4日の日曜日、六本木クロッシングは閉幕した。今回出展したアーティストは相川勝、雨宮康介、青山悟、Chim↑Pom、contact Gonzo、ダムタイプ、HITOTUKI[Kami+Sasu]、加藤翼、小金沢健人、森村康晶、ログズギャラリー、志賀理江子、鈴木ヒラク、高嶺格、照屋勇賢、宇治野宗輝、八幡亜樹、横溝静、米田知子、「(名称不明アーティスト)」の20組である。見応えは十二分にあった。いや、百二十分にあった。というのは言い過ぎだろうか。でも本テーマである『芸術は可能か?』を問うには十分な量だった。
 前置きはさておき、予習せずに直感でいいと思った作品を揚げていこう。絞った挙げ句、五つに収まった。ダムタイプ、ログズギャラリー、宇治野宗輝、雨宮康介、相川勝だ。
ダムタイプ『S/N』…まず映画の内容が良いし、本展のメインテーマを十分に肯定してくれている。必見である。エイズによって35歳で亡くなった古橋悌二の芸術への情熱を私たちは受け止めることができるだろうか。男から女、女から男というLOVE SONG ではなく、女から女、男から男、おなべ、オカマ、ゲイ、レズビアン、性差のボーダーを無くす事はできるだろうか。一人のヒューマンとして。劇中に出てくる「発明」という言葉。とても印象的だ。確かに我々が生きていくことを肯定するには発明していかなければならない。
ログズギャラリー『DELAY_2007.10.27』…車というのはある種の異空間である。私も車を用いて作品ができればと感化させられた。
宇治野宗輝『THE BALLAD OF BACKYARD』…ジャンクアートを作っている自分として、レベルの違いを思い知らされた。
雨宮康介『わたしたち 2010年3月19日-2010年7月4日』…観ているものとしては難解だった。よく考える必要があるので、逆に印象的である。熊と蜂蜜とあとなんであったろうか。
相川勝『CDs』…録音されている音が笑える。単純に嘲笑でも苦笑でも無い笑いをもたらしたことは幸福だと思う。
 さて、ここからは予習/復習をしつつの感想を述べていこう。しかし、作品の断片を穿り返しながら、批評めいたことを述べることは面白いことだろうか。それよりも展覧会を観た事により、閃いた事を書いた方が面白いのでは無いだろうか。そのほうが、本展のメインテーマ『芸術は可能か?』という問いに呼応していけるのでは無いだろうか。展覧会の時にメモしたことを書いていこう。
閃きその1/「共有」写真レンズの前に自分の写真を貼って、あたかも二人で撮っているかのように楽しく最高の笑顔で撮る。共有への疑問的作品。
その2/「rainbow」"rainbow!, rainbow!, rainbow!, rainbow!,,,,,,,"とずっと連呼するビデオインスタレーション。あと何歩か足りない(汗)
その3/「犠牲/サクリファイス」顔の整形によるアート。その後が浮かばない。そして様々な批判が起きそうだ。
その4/「目が離せない」インタビュー映像だけど、PVっぽい。そのPVに別のメッセージ性があって目が離せない。ってかそっちのPVが格好良くて、インタビューを聞くのが厳かになる(笑)。
その5/「目が離せない remix ver'」PVっていうよりポルノ映像が流れて、インタビューを聞くのが切なくなる。観たくない。でも観たい…!(笑)理性を問う作品。
その6/「acter〜喜怒哀楽シリーズ〜」インスタレーション作品。4人の役者が定位置でずっと喜んでいる・怒っている・哀れんでいる・楽しんでいる。泣いていてもいい。怒っている人の場所にはあまり行きたくない。作品を通して怒られそうである。一人でもいい。一人で日によって喜怒哀楽が変わるというのもいい。
その7/「下手紙」自分の時が下手なので、よく読めないと言われる。逆にとことん下手に書いて、手紙にする。読めたらすごい。シュールアート。
その8/「一日学芸員」作家も学芸員として作品監視をしている。むしろ自分の作品の前で。自衛的作品。自分のモンは自分で守れ!喝的(笑)。本当に働いていてもいい。もちろん無給で。というかかくれんぼしている。探してほしい(笑)。
その9/「出る前に」お客さんとにらめっこする。こちらが笑かしたら勝ちで、展覧会から出る。にらめっこは全国から雇われた選りすぐりのにらめっこチャンピオン。逆にレベルの高さに驚く。最後は笑って帰って欲しいですから。
こう書いてみると、身体を使った閃きが多い。しかし実現するだろうか。何個かは実現するでしょう。発明せよ!ヒトならば!記2010年6月13日