美術評論

美術評論 · 2019/08/13
東京国立近代美術館「アジアにめざめたら」展は様々な反響をもたらした。その感想はおおむね2つの事柄に分けられる。第一に1960年代の左翼運動的視点から同展を見て解釈する場合、第二には現在からみて日本の政治的アートの立ち遅れに関して指摘する場合である。
美術評論 · 2019/07/06
 朝鮮最初の女性西洋画家である「羅蕙錫(ナ・ヘソク)」。文筆の才もあった彼女は若くして時代の脚光を浴びたが、後半生は経済的苦境に苦しみ、世間との軋轢を抱え、好奇の目で語られる存在でもあった。

美術評論 · 2019/06/27
森本仁平は、明治44年生まれの洋画家です。  存命であれば今年108歳という森本の、まずは簡単なプロフィールからご紹介しましょう。生まれは石川(現在の加賀市)、育ちは東京。東京美術学校図画師範科を昭和7年に卒業し、最初の赴任地として岩手(現在の一関市)にやって来ました。
美術評論 · 2019/06/26
版画家で彫刻家、漫画家、工芸家でもあった鈴木賢二(1906-1987)の名は今や無名に近いかもしれない。それでも、2018年1月13日から3月21日まで栃木県立美術館で開催した回顧展は思いのほか好評を得ることができ、朝日新聞や毎日新聞などの、さまざまな紙面や媒体に展評が掲載された。

美術評論 · 2019/03/11
 「鯨」と「井」と「洪」。なんともスケールの大きなイメージを喚起させる漢文字の連なりではないか。思わずウーンと唸って、ルーツを掘り起こしてみたくなる。
美術評論 · 2017/07/08
2016年9月、韓国の首都ソウルの美術館をめぐる機会があった。「メディアシティ・ソウル」という展覧会を観るのが主な目的であったが、あらためてソウルの美術館の魅力に触れることにもなった。韓国は、急速な経済成長を遂げた1980年代以降、現代美術の振興に力を入れてきたが、ソウルは近年新たに現代美術系の美術館が増えており、海外からも観光客が訪れている。私が訪問したときに観た展覧会の感想を交えつつ、ソウルの美術館事情について紹介したい。

美術評論 · 2017/07/06
 2016年の晩夏から初秋にかけて、たまたま全く異なる目的の為に韓国五都市を巡った。韓国は現代美術を愛する国であり、世界の動向よりも特に自国のアーティストを応援する立場を国や企業、市民が取っている。
美術評論 · 2017/07/06
 私が昨年10月にソウルにいった主な目的は運営している ArtLab TOKYO の所属作家、 イ・ナジンと岩清水さやかの個展が現地のゼインゼノ・ギャラリーで開催されるのでそのセッティングにお邪魔する、というのもあった。...

美術評論 · 2017/06/27
表現の自由が失われようとする危機感は、昨年東京で開かれた国際美術評論家連盟日本支部のシンポジウム「美術と表現の自由」(2016年7月)でも示された。たがここでは少し過去に遡って考えてみたい。近代美術史を調べていると、表現や発表に対する検閲や自主規制に関わった記述に接することがあり、それらを見ていくと、どのように表現の自由が制限されていくのかを知ることができる。  興味深い一つの例を紹介しよう。1916年(大正5)に起こった出来事を、版画家の永瀬義郎が書き残している。同年に東京で開かれた日本版画倶楽部展(会場:万世橋倶楽部)の出品作をレストランの支配人が購入し、店の応接室に飾っていた。その作品に刑事がクレームをつけてきたのである。裸婦を表した木版画であった。永瀬によると、刑事と支配人のやりとりは次のようなものだったという。
北野 輝氏
美術評論 · 2017/06/27
心配されていた参加者が百人を越えた中、短い持ち時間に苦しみながら最大限意を尽くすべく苦闘されたパネラー各位をはじめ多くの皆さんのお陰で、シンポジウムは滞りなく「無事」終了することができました。しかし無事終了できたこととこの集会が「成功」したかどうかは別でしょう。私はこのシンポジウムの企画者であり、パネラーの一人でもあり、その成否を客観的に判断する資格に欠けています。以下、多分に主観的な判断の入り交じった報告となること、まだいくつかの点で遺漏があることをご了承下さい。なお後日、日本美術会の承認を得て、各パネラーの発言をはじめ本シンポジウムの全容を伝える報告集を出すことが出来ればと考えています。(北野輝)

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