· 

吉田 博 展  見ましたか?

 生誕140年の企画で千葉・福島・福岡・長野と回り、東京では東郷青児記念・損保ジャパン日本興亜美術館で2017年7月8日~8月27日まで開催された。この画家は明治の人で、九州で生まれ、京都で学び、その後東京の不同舎に学んだのがまだ18歳で、油彩画・水彩画、その後木版画と展開して、その構図や色のグラデーションのすばらしさにはびっくりしたが、この人はアメリカに20歳代で行き、デトロイト美術館・ボストン美術館などで友人と二人展をやって大成功をおさめたということなのだ。最初の展覧会で33点1064ドルを売り上げる(小学校教論の十三年分の給与に相当するらしい)これはすごい成功だったと思われる。その後も何度か外遊し展覧会も実施した。画壇の中でも旧派の代表的な存在になったが、今一つ国内での評価は高くない。しかし海外に一番売れて、評価も高いこの画家は、今回の生誕140年の企画連続展で、再評価の流れが出てくるような気がするのだが、どうだろう。版画のすばらしさもぜひ味わってほしい。(編集:木村)