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ガザに明日はあるのか

上條陽子(かみじょうようこ)画家

 もう手遅れだ!! ハマスの攻撃と人質作戦は誤算だった。犠牲があまりに大きすぎた。パレスチナの怒り、忍耐が限界であったことはよくわかる。パレスチナの怒りがマグマになって爆発したのだ!! しかしネタニヤフのあの残忍さはイスラエルのヒトラーだ。救いがない。無差別の攻撃がガザを破壊しつくす。人の心までも。無差別に病院、学校、商店、住居等。私の招待したガザの画家達の画廊も破壊された。ハワジリの親族10 人が殺された。イサの母親、甥も殺された。まるでホロコーストだ。ネタニヤフは民族浄化をねらっている。パレスチナ人は存在しないし領土は全てイスラエルのものだと入植を繰り返している。
 なぜ国際社会が止めることができないのか。国連の総長グデレスがハマスのやった理由を考えなさいと言ったことに対してイスラエルはテロを許すことはできないと一方的言い分で、後にグデレスに退去( 退伝と書かれてるが多分前言撤回ではないか?) を要求した。ハマスのやったことはテロではない。抵抗運動である。アメリカのバイデン大統領には失望した。イスラエルに武器を売った。ドイツ、イギリス、フランスもイスラエル支持。何故なのか。何故、今、世界に強い正義の味方、リーダーが現れないのか。プーチンのウクライナ侵攻により世界はおかしくなった。武器商人、ユダヤマネー、ユダヤロビーは弱者を皆殺しにする。イスラエルのパレスチナに対する暴挙は皆知っている。イスラエルに行けば一目でわかる。イスラエル兵隊が銃を持って街を統治している。パレスチナ人に対する嫌がらせは目にあまり恐怖となる。アフガニスタンのタリバンと同じく野蛮である。オスロ合意で少しは平和の入り口が見えたかと思ったが・・・。パレスチナとイスラエルは話し合うべきだ。世界は見て見ぬふりをしている。国際社会は解決策を見出さず、イスラエルの暴挙はパレスチナの民族浄化を進めるばかりだ。パレスチナの 子どもたちに未来はない。子どもたちの人権はない。子どもたちの尊厳すら守られていない。多くの子どもたちが石を投げて拘束され何年も留置されている。絵を描くこともできない。画材がない。授業が2 部制で絵画の時間が取れない。子どもたちは未来に夢を持つことができない。未来は閉ざされている。夢は閉ざされている。

 パレスチナの人達は農耕や遊牧民族であまり土地の所有を考えてこなかった。そこへシオニストのユダヤ人達が土地を買い始め所有し始めた。神から与えられた土地で自分たちの領土だと主張している。
 イスラエルは必ず道路を造る。道路に沿って建つパレスチナ人の家を境にし土地を奪う。パレスチナ人は土地も財産も失い難民キャンプに追われる。これは強盗だ。略奪だ、泥棒だ。パレスチナの多くの土地がこうして無辜に奪われている。
 ハマスは発想を考えるべきだった。日本の特攻、神風等を参考にしたジハード( お腹に爆弾御巻き付け自爆) は時代錯誤だ。敗戦国日本のまねをしても勝てるわけがない。ハマスはガザからロケットを発射しては仕返しに攻撃されてきた。この繰り返しが何年も続いている。今回は規模が大きく世界を騒然とさせた。その影響はあったにせよ勝ち目はない。余りに驚嘆が大きすぎるしガザの人々の犠牲は計り知れない。世界はパレスチナの惨状と現状を知った。
 ハマスは発想を変えて世界に訴えるべきだった。世界に向かって「声明文」を出す。パレスチナの過去から現在までの受難の歴史を!パレスチナの惨状、貧困、格差、人権、不自由、束縛、略奪、暴挙、ひどい仕打ちを全部列挙して読み上げる。今からでも遅くはない。世界に助けを求める。イスラエルのヒトラーから逃れるにはどうしたらよいのか・・・・・発想の転換が必要だ。
 いつまでもイスラエルとパレスチナ間の対立では平和の解決を望むべくもないのだ!!


★上條陽子さんには本誌NO.147 にパレスチナのハートアートプロジェクト(PHAP)の記事を書いてもらっています。ガザの画家3 人の交流展を実施、大変困難な交流、ガザの子どもたちの絵の交流、長年の積み重ねの上に、今回の事件。耐え難い苦しみを背負われていることを想像いたします。

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コメント: 1
  • #1

    (月曜日, 10 6月 2024 04:49)

    >ハマスのやったことはテロではない。抵抗運動である。

    虐殺しておいてテロではないなんて無理あるでしょ
    もちろんイスラエル側のも虐殺
    どちらも許されない行為でしょ