手島邦夫展を観る 

鯨井 洪  くじらい こう (日本美術会代表)

 

初の個展を千駄木画廊の初期からの作品群を観て感じたのは、実体を支える空間との関係性が、まっとうな解釈として、正直に伝わって来た。全うとは近作の諸作の平面空間に実在する独特な記号的な具象像が配置され、緊密な平面を成している。それは67回展アンデパンダン出品作「内と外」の画面に良く表れている。抽象画と云えば、モンドリアンの、「ブロードウエイ・ブキウキ」が私は好きだが、これは水平・垂直の交線と色彩の織り成すリズムの強弱、伴奏と思えるが、手嶋さんの諸像は現代的実存の像を形造り画面が豊かに、又楽しく、解りやすく感じられた。解りにくいマッソンのようなシュールの世界もあるが、解りやすさこそ今様なのではないだろうか?今後に期待したい。