書評

書評◆笹木繁男 『藤田嗣治̶その実像と時代̶』上・下巻 (2019年私家版)
書評 · 2021/10/04
笹木繁男氏(1931年~)は本誌の読者にもほとんど知られていないかもしれない。氏は、市中銀行を退職後35 年余にわたり、一貫して戦中・戦後の日本美術関係を中心に資料の収集・研究を続けてこられた異色の研究者である(現代美術資料センターを設立し主宰)。
書評◆久保田勝巳作品集「地に生きる」(発行:2018年3月 発行者:久保田勝巳)
書評 · 2021/10/03
 これは久保田勝巳さん(1936年~)の文字通り「画業生活60年の集大成」となる作品集である。布張り厚表紙の外装、200ページ余の本体の厚さと重みは、そのままこの作品集の内容の充実ぶりを表している。この作品集そのものが、何事にも手抜きせず全力で粘り強く取り組んできた彼の人となりを物語る「作品」となっている。

書評 · 2019/08/13
 近年、各地の公立美術館で、展示作品の撤去や改変といった「検閲」ともいうべき事件がたびたび起きている。表沙汰になったのは氷山の一角とみるべきで、組織内での「忖度」や「自主規制」によって、人目にふれる機会を奪われた作品も少なくないだろう。こうした出来事は、美術館に限らず、博物館や図書館、公民館のような他の社会教育施設でも起き、憲法が保障する「表現の自由」が尊重されなければならないはずの放送や出版など、あらゆる文化的な領域で発生している。